北海道の北東に位置する千島列島のさらに北東、ロシア極東部の半島、カムチャッカ半島に位置する シベルチ火山が噴火したニュースがありました。
2022年1月、トンガ火山の噴火による津波が到達したことが記憶に新しいですよね。
今回噴火したカムチャッカ半島 シベルチ火山は、北海道の知床半島から1800kmほどです。トンガの1/4の距離ですので、日本への影響があるかもしれません。
また、日本は火山大国で、いまも活動している火山があります。
今回はカムチャッカとトンガの噴火の違い、日本の活火山と火山による被害をまとめました。
①カムチャッカ噴火とトンガ噴火の規模の差
はるか8000km離れた日本にまで、1m程度の津波が到達したトンガの噴火。今回のカムチャッカの噴火はロシアということで、より日本に近い位置です。
ここで気になるのが、噴火の規模です。規模によって周囲への影響、被害がある程度決まってきます。
噴火の規模指標として、
噴出物の量(種類を問わない)で表す火山爆発指数(VEI)があります。
火山灰が一番に思いうかびますが、ほかにも種々あり、噴出に必要なエネルギーは異なります。つまりVEIは噴火エネルギーは意味せず、加えてマグマがどれだけ流れても考慮しないことになっています。
トンガの噴火は噴煙高さ57km、噴火雲の半径が260Kmと、VEIにおける分類で、レベル5(どうしようもないほど大規模)とされ、50年に1度レベルの噴火であったとされています。
今回のカムチャッカ噴火では噴煙の高さが15kmという情報から、レベル4(大規模)、10年以上に1度という分類になると予想されます。現に前回の大規模噴火は2007年ということなので、分類に間違いはないと思われます。
近くにある集落では火山灰が8.5cm積もったという情報もありますが、日本には影響なさそうです。
②日本の活火山
日本には100を超える活火山があります。そのほとんどはLevel1(活火山であることに留意)ですが、数か所Level2以上の火口周辺の入山規制がかかっていたりする場所があります。
Level2
浅間山(群馬県・長野県、時に東北や関西まで音が届くような噴火をしたことも。最新噴火2019年)
薩摩硫黄島(鹿児島、噴煙が常時上がり、亜硫酸ガスにより農作物に被害が発生することもあります。流刑先だったと思われる島。最新噴火2019年)、
ベヨネース列岩(伊豆諸島、余程凪いでいないと上陸できない海抜高さ11mの活火山。近くの海底には金・銀・銅などを含んでいる熱水鉱床が発見されています。)、
硫黄島(伊豆諸島、東京から南1200kmの沖合。第二次世界大戦の硫黄島の戦いで有名。海上自衛隊、航空自衛隊が設置されていて、民間人は慰霊等を除き上陸ができません。硫黄島からの手紙は、東京都が特別許可を出して撮影されました。)
Level3
桜島(鹿児島県、頻繁に噴火しています。これだけの活火山のそばに鹿児島市レベルの都市があるのは、世界的にみてもここだけ。)
諏訪之瀬島(鹿児島県、桜島と同じように頻繁に噴火しています。最新の大規模な噴火は2021年。)
西之島(伊豆諸島、東京から南1000kmの沖合。1972年以前は細長い東西200m 南北650mの島だったものの、度重なる噴火でどんどん大きくなり、東西・南北ともに2Kmほどの大きさとなっています。)
③日本の火山による被害事例
世界1500か所の火山のうち、7%の活火山が存在する日本は有数の火山大国 です。 温泉がたくさん湧き出ているのはその恩恵ですが、噴火する恐ろしさを知っておく必要があります。
日本でここ最近被害が大きかったのは、1990~93年雲仙普賢岳(長崎県)の火砕流、2014年御嶽山(長野県・岐阜県)の噴火、水蒸気爆発でしょう。双方の被害事例がわかる資料館を調べました。
雲仙普賢岳
運営者は雲仙普賢岳の麓にある島原市・南島原市に行ったことがありますが、「雲仙災害記念館(がまだすドーム)」、そこから1Kmほどのところに「土石流被災家屋保存公園」という施設があります。後者の隣には「道の駅みずなし本陣ふかえ」がありましたが、2021年11月に営業を修了しています。
がまだすドームは雲仙普賢岳の噴火記録や、火砕流の速さを再現した演出もあり、こどもも楽しみながら勉強できるのではないかなと思います。
土石流被災家屋保存公園においては、ホームページがないので、紹介ページをリンクに貼り付けました。もともと2階建ての家屋が土石流により、1階部分を完全に埋まっていました。
御嶽山
従来は死火山とされていましたが、1979年に突如噴火しました。記憶に新しい2014年の水蒸気爆発事故は多大な被害を出しています。
御嶽山にも長野県王滝村に「御嶽山史料館」があるようですが、ホームページは見つかりませんでした。アクセスとしては、JR東海 中央西線 木曽福島駅から12Kmのところのようです。
まとめ
今回のカムチャッカ噴火はトンガ噴火には及ばないが、10年以上の周期で訪れる大規模噴火でした。
日本においても、現在進行形で活火山が存在し、いままでも活火山による大きな被害(雲仙普賢岳の火砕流、御嶽山の水蒸気爆発)が発生しています。
活火山においては、火口規制等が発表された際は、まだ噴火していないだけという意識を持つことが大切です。