メルズーガ号(テイクワン)の死因は?炎上した上げ馬神事とは?

生活

三重県の無形民俗文化財に指定されている上げ馬神事が、今年4年ぶりに多度大社にて復活しました。

(昭和53年に桑名市の多度大社、平成14年に員弁(いなべ)郡東員町の猪名部神社が指定を受けています。)

上げ馬は坂道を疾走して約2メートルの土壁の乗り越えに挑み、豊作や吉凶を占うという神事で、発祥は猪名部神社であり、その後多度大社へ伝授されました。

両祭とも数百年もの歴史を持ちますが、その内容は、危険極まりないものです。         馬が骨折し、安楽死させられてしまう といった事態が起きていることから、動物愛護団体はもちろん、一般の方からも馬がかわいそうと声が挙がっています。                今年もメルズーガ(テイクワン)という馬が安楽死させられてしまいました。

その祭りの内容等を確認していきましょう。

メルズーガ号(テイクワン)はどんな馬?死因は?

メルズーガ号は2015年生まれ、2018年に中央競馬でデビューしてから、兵庫県園田競馬へ移籍し、2023年2月に引退するまで、111戦8勝の成績を挙げました。

つまり、今回の悲劇は引退から3カ月足らずで発生したことになります。

メルズーガ号の変化は下記のツイートに詳細に記載されております。

※つらい写真、映像があります。読み飛ばしていただいて結構です。

死因としては、左前脚を骨折したことによる安楽死 となります。

骨折した状態150歩ほど、祭りの進行のために歩かせた挙句、安楽死処分です。

同じ日本人にこんな鬼畜じみたことができるとは信じたくないです。

まとめられている方がいますので、リンクを貼らせていただきます。

【悲報】日本伝統の上げ馬神事で元競走馬「メルズーガ」が骨折して安楽死 → Twitterで大炎上  | まとめまとめ (matomame.jp)

上げ馬神事の祭り内容

猪名部神社(大社祭)

・開催時期 毎年4月第1土・日曜日(1、2日の場合は8・9日)

・内容 本殿祭典、合駈、上げ馬、渡御、流鏑馬(試楽祭、本楽祭両日)、神霊渡御(本楽祭)

・上げ馬の坂の傾斜

・騎手について 16歳から23歳までの若者で構成される青年団の高校1・2年生の中から御籤で6人選ばれます。

(「馬の町」としても知られる員弁郡、日々の生活を馬と共にしており、ほとんどの子ども達は乗馬経験があります。)

 選ばれた騎手は区民館で1週間程の共同生活に入り、毎日員弁川で心身を清め禊を済ませた後に拝殿へ。神の使いとして身を清め、装束は花笠、矢箱を背負い、神事に臨みます。

乗り子達は当日、土を踏む事が禁止され、青年団の先輩達に背負われて境内を移動するという古式に則った厳粛な行事として、伝統が受け継がれています。

※令和5年度は令和2年度から引き続き 上げ馬、流鏑馬とも中止であり、代わりに曳き馬神事として、伊勢音頭を歌いながら神社近くを練り歩きました。

多度大社(多度祭)

・開催時期 毎年5月4日・5日

・内容 4日:騎射馬乗込、馬場乗、坂爪掛、上げ坂、騎手と神職の盃、須賀馬場乗

5日:御例祭、騎射馬神児乗込、馬場乗、神児迎え式、上げ坂、楠廻り、神輿渡御、

御旅所行事、流鏑馬行事、神輿還御

古くより農作の時期や豊凶を占い、数多く上がれば豊作、少なければ凶作とのこと。

「早稲(わせ)」「中手(なかて)」「晩稲(おくて)」馬が上がったタイミングの苗を選ぶと良いとされています。

・上げ馬の坂の傾斜 壁が2メートル

・騎手について 神児一名(肱江地区)騎手六名(小山・戸津・北猪飼・猪飼・力尾・多度地区から一名宛)が選出され、4日は陣笠 に  、花笠(はながさ)、姿などの武者姿で臨みます。

騎手は馬に乗り、地区の人等に守られながら齋宿を出発し、多度三郷(小山・戸津・多度)、猪飼三郷(北猪飼・猪飼・力尾)はそれぞれ合流しながら、神社に向かいます。
到着後馬場を走らせ、坂の下にて拝礼をしたのち、人馬共に馬場に慣れるために馬場を走らせます。

上げ坂後は、宮司と盃を交し、祓いを受け、列次を整えて須賀の馬場へ向かい、6地区それぞれ遅道3度、駈3度宛馬を走らせます。

全騎手が神社に参集し、各自鞭を神社に奉納、神社に籠って夜を明かします。

上げ馬神事で今までに起きた事故事例、散見されてきた行為

北海道の養老牧場(引退馬等が過ごす牧場)が生産馬をこんな目(上げ馬神事)にあわせたくない、行方不明にしたくない との思いで、養老牧場を開いたことを明かしています。

各種メディアでも取り上げられている上げ馬神事ですが、成功はなかった 等の言葉だけで締めくくられていることが多いです。

メディアニュースでは明かされることが無い、その内容は以下の通りです。

・上げ馬神事で馬を叩く行為が発覚し、県が調査、改善を求める勧告

・馬を興奮させ、坂を上り切る可能性を上げる名目のもと、蹴ったり殴ったりする行為が発覚し、地元住民ら5人が動物愛護法違反容疑で書類送検

三重県の動物愛護班は、関連団体に人馬の安全確保や馬の取り扱いについて継続的に指導や助言、関係者や警察、獣医師などと協力して「対策協議会」も開いており、年々改善はされているとしています。

令和5年においては、明らかな暴力行為は確認されなかったとされています。

しかし、実際にはあったようです。

改善点についてまとめられている方がいますので、こちらもリンクを張らせていただきます。

三重県の無形民族文化財 - 代表 青木貢一 – 動物との共生を考える連絡会 (dokyoren.com)

今回の上げ馬神事の後、協議がもたれるようになった旨が塩村あやか議員より発信されておりますので、今回の炎上で一歩前進することを願いたいと思います。

議論には第三者委員会等が介入しない限り、同様に続いていってしまうと思われますので、どうにかしてこの状況を打破していただきたいと思います。

個人的には、馬が怪我してしまうような、また暴力が平然とまかり通ってしまうあり方を変えさえすれば、祭りの中止はしなくていいと感じています。

このままでは三重県の観光にも影響が出ますので、経済的な問題にもなります。

昔からの在り方以外認めない というのは思考停止です。

馬に選択権がないことをいいことに、無茶苦茶やるのは人間のエゴです。

【追記】

2009年以降、今回同様に安楽死となってしまった馬は少なくとも3頭いたとされています。

5月20日に世界的な動物愛護団体から発信されました。

日本の動物虐待はこれ以上に悪くなることはないだろう すなわち最悪であるということです。

 

まとめ

メルズーガ号は死因 左前脚骨折で、骨折した状態150歩ほど、祭りの進行のために歩かせた挙句、安楽死処分  というあまりにも惨い最後を遂げました

この悲劇を発生させた上げ馬神事は坂道を疾走、約2メートルの土壁の乗り越えに挑み、豊作や吉凶を占うという神事で、猪名部神社の大社祭ととも数百年の歴史を持ちますが、危険極まりないものです。

各種メディアでも取り上げられていますが、成功はなかった 等の言葉だけで締めくくられているのみで、
参加者の暴力行為が実際にあったにもかかわらず、なかったとされてしまうような隠蔽体質の改善から求められます。

今回の上げ馬神事の後、協議がもたれるようになった旨が発信されておりますので、改善への足掛かりとしてほしいと思います。

最後に、メルズーガ号はじめ 祭りの犠牲となった馬たちのご冥福をお祈りいたします。

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