大谷のエンゼルスで打撃妨害発生!ルール上どうなる?

野球

 

2023年4月15日夜(アメリカ現地時間)、大谷翔平選手が所属する エンゼルス対吉田正尚選手が所属する レッドソックスの試合がありました。この試合ではめったに発生しないプレーが3回も発生し、勝敗に大きく影響しました。ここではその珍しいプレー「打撃妨害(インターフェア)」について書いていきます。

目次

①エンゼルス対レッドソックスでの打撃妨害

②そもそも打撃妨害とはどのようなルールなのか

③今まで発生した主な打撃妨害

まとめ

①エンゼルス対レッドソックスでの打撃妨害

3番・指名打者でスタメン出場した大谷。2回2死一、二塁 4-2とエンゼルス2点リードで迎えた第2打席に、今回のテーマである打撃妨害で出塁。つまり1回目に発生した打撃妨害は、大谷が記録したものでした。

2回目はレッドソックスの攻撃中、8回裏無死一塁の場面。代打の打者タピアのスイングしたバットにエンゼルス捕手・タイスのミットが当たってしまいました。エンゼルスはチャレンジするも判定は覆せず、打者走者は出塁し、得点圏の二塁へ走者が進みました。

このあと7番カサズを三振にして1死。1死一、二塁となるも、8番マグワイアが2球目をスイングすると鈍い音がひびき、すぐさま球審が打撃妨害を宣告。またもタイスのミットに当たったため、打球が飛んでいましたが、打撃妨害が優先となります。満塁となってしまい、その次打者張育成にタイムリーヒットを浴びて逆転されてしまいました。その後も押し出し四球でこの回3失点。

下のように、エンゼルスは9回表に得点できず、結果として打撃妨害による敗戦を喫してしまいました。

エンゼルス 4 0 0 0 2 1 0 0 0 7
レッドソックス 2 0 1 3 0 0 0 3

x

9

②そもそも打撃妨害とはどのようなルールなのか

前項でなんとなく想像がついたかと思いますが、打撃妨害は「守備側が打者の打撃行為を妨害した場合に、打者に一塁が与えられる」というものです。以下は公認野球規則6.08の(c)です。

「妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってから直ちに妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。

ただし妨害にもかかわらずバッターがヒット、エラー、四死球、その他で1塁に達し、しかも他の全ランナーが少なくとも1個の塁を進んだときは妨害とは関係なくプレイは続けられる。」

とあります。守備側の妨害というのは、今回のような「打者のスイングに捕手のミットが当たる」の場合が多いです。ボールを打つための動作に、外的要因が加わるわけですので、多大なる妨害行為です。

それでも攻撃側に有利な打球となることがありますので、その場合はプレイを生かすと伝えればいいわけです。また、安打や死球ような結果、つまり打撃妨害以上の結果が発生した際は、攻撃側に有利な結果を選択できるということです。

③今まで発生した主な打撃妨害

Ⅰ.2019年6月北北海道大会十勝地区1回戦 帯広緑陽VS帯広工

上記の試合で「2球」でチェンジになる珍事がありましたが、これに打撃妨害が絡んでいます。

先頭打者が初球をスイングし、帯広工の捕手のミットに当たり、打撃妨害で出塁。続く打者が初球をはじき返した打球は一直となり、飛び出したランナーもアウトで併殺。次打者は初球で内野フライに倒れ、3アウトとなっています。 記録上、打撃妨害の際の投球は無効で球数に数えないため、この回の投球数は2球になりました。しかしながら、プロ野球等は打撃妨害でも投球数にカウントするため、このような事態は発生しません。

Ⅱ.2008年の夏の甲子園 金沢高校(石川)VS桐生第一(群馬)

甲子園でも打撃妨害が発生しています。9回裏2死、1-6と5点追いかける桐生第一高校の攻撃で起こりました。2ボール2ストライクから、空振りで試合が終わる状況でした。捕手は勝ち急いでミットを前に出して、捕球しようとしたようです。この時捕手のミットが飛ぶほどでしたので、かなりの衝撃だったようです。それだけ危ないプレーです。

まとめ

今回大谷選手の打席で発生した打撃妨害は、無条件で出塁することにつながるプレーで、守備側にピンチをもたらします。打撃妨害は圧倒的に打者のスイングに捕手のミットが当たるパターンが多いです。レアなプレーであるので、説明のためにプレーがとまることもあります。

高校野球でも発生していて、「2球」でチェンジになる珍事に絡んでいたりします。2008年の金沢高校VS桐生第一のプレーでは、捕手のミットが飛ぶほどでした。

打者としては打てそうもない時に考える、最後の手段ですが、かなり危険なプレーです。これにて打撃妨害の説明とします。

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